私は学生時代、プロジェクションマッピングの映像制作をしていました。制作している中で、映像のアイデアに行き詰まることも多く、YouTubeなどに投稿されている映像や実際の展覧会を観に行って、アイデアの参考にしていました。その当時、観に行った展覧会の1つに、浮世絵をテーマにした『動き出す浮世絵展』があります。
▼動き出す浮世絵展
https://www.ukiyoeimmersiveart.com/
学生時代には名古屋で開催されていましたが、2024年12月から2025年3月までは東京で開催されていました。せっかく近場で開催されていたので、あらためて観に行ったところ、私も使用していた表現を見つけて、非常に懐かしくなりました。
そこで、今回のブログでは『動き出す浮世絵展』で見つけて懐かしく感じた3つの表現をご紹介したいと思います。
最初にご紹介する表現は、「風の揺れ」です。主に草や花を揺らすことで、映像内で風が吹いているというリアリティを出すために使用していました。また、草や花を季節ごとに、春は桜、夏はヒマワリ、秋はススキ、冬はツツジなど使い分けることで、映像の季節感を手軽に演出できて、とても重宝していました。
次にご紹介する表現は、「ラインアニメーション」です。ラインアニメーションとは、線の伸縮で線を動いているように見せる手法です。伸縮をうまく活用して、下の動画のような花火を制作していました。
最後にご紹介する表現は、「目のまばたき」です。私は、キャラクターの目に動きを加えるため「目のまばたき」を使用していました。『動き出す浮世絵展』も同じように使用していましたが、表現方法に違いがありました。
動画の左が『動き出す浮世絵展』のまばたきに似せた表現で、右が私のまばたきに似せた表現です。
違いはわかりましたか? 私のまばたきは、目を閉じるようにまばたきをしているのに対して、『動き出す浮世絵展』のまばたきは、一瞬だけ目を消しています。
実際のまばたきの動作としては、私の表現も近いとは思いますが、『動き出す浮世絵展』の表現のほうが、まばたきの一瞬をうまく映像に落とし込んでいます。この表現を見つけたときは、「こんな方法があるのか」と感嘆しました。
ここまで、私も使用していて懐かしく感じた3つの表現をご紹介しました。久しぶりに『動き出す浮世絵展』を観て、懐かしさを感じるとともに新たな表現との出会いがあり、「映像制作をもう一度始めてみようか」と考えてしまうほど楽しい時間でした。
もちろん、この展覧会は映像編集に興味がない人でも、海の中を泳いでるような映像や、武者絵の熱や迫力に圧倒される映像など見どころが満載です。
すでに、東京での開催は終了してしまいましたが、福岡や台北での開催が決定しているようです。さまざまな場所で開催されていますので、もし皆さんの近場で開催が決定した際には、浮世絵の世界に没入してみてはいかがでしょうか。
▼動き出す浮世絵展
https://www.ukiyoeimmersiveart.com/