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    新年度になり、一週間が経ちました。新しい環境で新たな一歩を踏み出した方も多いことでしょう。

    私は新卒である企業に就職した際に、電話に「超」苦手意識があるにも関わらず、電話をする機会が多い部署に配属が決まってしまいました。

    今回はその経験で得た電話対応のポイントと、知っておくとよい情報を紹介します。

    ポイント①:相手の話を正しく理解する

    電話を受けたときに意識すべき大切なことは、相手の話を正しく理解することです。きっと多くの方が、“そんな当たり前のこと、わかっている”と思われるのではないでしょうか。しかし意外にも、相手の言いたいことを正しく理解することは簡単ではないのです。

    ただ相手の言ったことを言葉通り受け取るだけでは、相手の話を正しく理解したとは言えません。ビジネスの電話で「相手の話を聞く」とはすなわち、「相手は何のために電話してきたのか、この電話で何を伝えたいのか/解決したいのかをつかむこと」と言い換えられます。

    つまり、電話を切ったあとで「今の電話、何の話だったんだろう?」という終わり方にならないように、相手の話のポイントを押さえ、自分の伝えたいことも伝える必要があるということです。

    ポイント②:話の方向転換はタイミングを見計らう

    電話の相手が用件を伝えてきて、「はい、わかりました」で終わる電話もあります。逆に、自分が用件を伝えて終わる電話もあります。しかし、そういった電話ばかりではありません。話しているうちに本題から逸れ、電話の終わりどきが見えなくなることもあります。

    長く話していると、何の話をしているのかわからなくなることも

    話のポイントを押さえ、お互いに納得して電話を終えるには、話を本題に戻すよう誘導したり、質問をしたりする必要が出てきます。

    話すことが好きな人、話が長い人との電話で困るのが、「話がなかなか終わらない」ことです。こんなとき、相手の話を遮ってしまったことはありませんか。また、相手の疑問がまだ解決されていないのに、自分の話したいことを話し始めてしまった経験はないでしょうか。

    話がなかなか終わらないときも、焦りは禁物です。話を遮られた相手は、「きちんと話を聞いてもらえなかった」「もっと話を聞いてもらいたい」と思い、より話が長くなってしまうことが多いからです。

    どんなに話し好きな人でも、何十分も休みなく話すことはできません。どこかで息切れするタイミングがあります。そこで話を方向転換できるような言葉を投げかけることができれば、結論に向かって話が進むはずです。具体的には、次のような方法が挙げられます。

    • 「話が少し本題から逸れてしまいましたね」とストレートに言う
    • 「では、○○ということでよろしいですか?」のように相手の話をまとめて話が終わる方向に持っていく

    これらは相手との関係性によって、失礼にならないよう使い分けていきましょう。

    ポイント③:質問に対しての答えは1つ

    3つ目のポイントは、どんな会話でも、基本的に質問に対しての答えは1つであることです。ここで1つ例を挙げてみましょう。

    あなたが、あるシステムの問い合わせ窓口を担当していたとします。そのシステムはWindowsで動作を確認しており、その他のOSでは動作を確認していないとします。

    そこで「このシステムはWindowsでしか使えないの?」という問い合わせを受けた場合、「はい。Windowsのみ動作確認しております」が正しい回答になります。

    この「正しい回答」を伝えずに、先回りして「Macでお使いいただいた場合の保証はできません」と答えてしまうのは適切ではありません。

    確かに、この回答でも「Macでは使えない」ということは伝わるでしょう。しかし、質問に対する答えにはなっていません。最初の質問「Windowsでしか使えないの?」に対する答えは、「Windowsでしか動作確認していない」ただ1つです。この答えを飛ばしてはいけないということです。

    ただし、この質問に対して「Windowsでしか動作確認していない」という事実を伝えるだけでは不親切です。模範的な回答の流れは次のようになります。

    Macユーザーから問い合わせを受けた例

    ここまで説明すれば、大半の人は納得してくれるはずです。

    私は、過去にある電話を受けた際に、ここで言う「正しい答え」を伝えず、先回りしたことを伝えてしまい、電話口でお叱りを受けました。「私の質問を聞いていましたか? まずは質問に答えてください」と。

    静かな口調でしたが、刺さりました。ショックを受けたというより、ただただ恥ずかしかったです。というのも、その頃少し仕事に慣れてきて、自分の能力を過信し始めていたからです。

    言われた当時は落ち込みましたが、今ではその方にとても感謝しています。失敗しなければ本当の意味で「わかる」ことは難しいことを実感した経験でもありました。

    注意が必要な言葉遣い

    ここからは、私が電話の対応をする中で学んだ、つい使ってしまいがちな言葉遣いを3つ紹介します。

    「お伺いします」

    これはよく耳にする言葉遣いですね。「伺う」が謙譲語なので、「お」が付くと二重敬語になるため誤りです。正しい言い方は「伺います」です。

    なお、「お伺いします」は二重敬語ではあるものの古くから使用されており、定着した言葉になっているという意見もあります。

    参考:https://www.yamatofinancial.jp/ec100k/post/?id=104

    「お名前を頂戴できますか」

    一見、問題がなさそうな敬語に思えますが、「名前はそもそも、もらったりあげたりするものではない」という理由で推奨されない言葉遣いです。

    推奨されない理由を知ったときは驚きましたが、よく考えてみれば、確かに名前をもらうのは変ですね。「お名前を伺ってもよろしいでしょうか」「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」「お名前をお教えいただけますでしょうか」という表現なら問題ありません。

    「○○は本日お休みをいただいております」

    社外の人から電話を受けた際に、担当者が休暇を取っていて不在の場合の返答です。

    丁寧な言い方のため一見問題がないように思えますが、「休暇を与えるのは社内の上司であって、電話をかけてきた人ではないため不適切」とされています。

    正しく言い換えるなら、「○○は本日休みを取っております」です。そっけない印象を与えないようにしたいなら、「恐れ入りますが」などの言葉を挟むとよいですね。

    迷ったときは「正しい」ほうを選ぶ

    ここで紹介した3つの言葉遣いは、ビジネスシーンで耳にすることも多く、必ずしも「間違いだ!」とは言い切れないものばかりです。とはいえ、「使っても問題はない」ともいえません。中には不快に感じる相手もいるためです。

    ビジネスの機会を逃さないためには、人によって意見が分かれる言葉は、できるだけ「正しい」とされているほうを選んで使いたいものです。

    失敗は上達への近道

    ここまで電話対応のポイントをまとめましたが、これらは電話に限らず日常会話でも役立つはずです。確かに、電話も会話。それほど「電話だ!」と意識する必要はないのかもしれません。

    電話に苦手意識がある方も、場数を踏めばきっと上達します。これは電話が「超」苦手だった私が保証します。そして、失敗は成長へのチャンスです。

    最後に、言葉遣いやテクニックも大切ですが、誠実に対応しようとする気持ちを持つことが一番大切です。たとえすべてが伝わらなくても、失敗してしまっても、相手のために誠実に、全力を尽くそうと思っていることは伝わるはず。

    電話の相手と自分の双方に疑問点が残らず、電話を切るときに相手のことが前より少し好きになっていたら、それはよい電話だったといえるのではないでしょうか。