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    2016年にアメリカでオープンしたレジなしコンビニ「Amazon Go」。お客さんが陳列棚から商品を取ったことがAIカメラによって認識され、出口のゲートを通過すると、自動的に決済が行われるシステムが採用されています。

    Amazon Goはまだ日本にはありませんが、先日、日本版Amazon Goと呼ばれる無人コンビニに行ってきました。

    レジなしショッピングができる「Amazon Go」

    Amazon Goは、アメリカのAmazonが展開する食料品店です。2016年にAmazon本社内にオープンしたのを皮切りに、現在はアメリカ国内に20店舗以上展開されています。

    レジのないコンビニ

    Amazon Goの最大の特徴は、レジがないことです。

    引用:https://www.amazon.com/b?ie=UTF8&node=16008589011

    入店に必要なのはAmazonのアカウントAmazon Goアプリ(無料)のみです。事前にスマホにAmazon Goアプリをインストールしておき、入口にあるゲートでアプリに表示されるQRコードをかざすと入店することができます。

    客が商品棚から商品を取ると、AIカメラによってAmazonアカウント内のバーチャルカートに商品が追加されます。商品を棚に戻せば、バーチャルカートから商品が削除されます。

    そして出口のゲートを通過すると、事前に登録した決済方法によって決済が行われる仕組みです。

    禁止されていること

    Amazon Goは、家族・友人などと複数人で来店した場合は、入口のゲートで同じQRコードをスキャンすれば、1つのバーチャルカートに商品が追加されます。

    ただし、別のQRコードを使って入店したほかの客へ商品を手渡しすることは禁止されています。商品は棚から取った時点でその人のバーチャルカートに追加されることから、正しく決済が行われないためです。

    Just Walk Out Technology

    Amazon Goのテクノロジーはコンピュータビジョンセンサーフュージョンディープラーニングを組み合わせたもので、「Just Walk Out Technology」と呼ばれています。

    コンピュータビジョン

    コンピュータビジョンとは、コンピュータが画像や動画内の物体や人物を認識できるようにすることを扱う人工知能のいち分野です。顔の認識からスポーツの試合における人の動きの処理まで、幅広い分野で使われています。

    客が棚から商品を手に取ったことを認識するために、Amazon Goの店内には天井に数百のAIカメラが設置されており、カメラにはコンピュータビジョンの技術が埋め込まれています。

    センサーフュージョン

    複数のセンサーから得たデータを統合的に処理することをセンサーフュージョンといいます。

    センサーフュージョンは自動運転車などでも使われている技術です。Amazon Go店内の商品棚には圧力センサーや重力センサーも設置されており、映像に加えてこれらのセンサーから得たデータを複合的に処理し、客がどの商品を取ったかを判別します。

    ディープラーニング

    ディープラーニングは、大量のデータから特徴を抽出する技術です。

    Amazon Goでは大量のカメラから得た映像データをディープラーニングで解析し、客の動きを追跡します。

    日本版のAmazon Go「TOUCH TO GO」

    日本にはまだAmazon Goの店舗はありませんが、カメラで客が取った商品を認識する仕組みが採用されている無人コンビニがすでに登場しています。

    その中の1つ、「TOUCH TO GO 高輪ゲートウェイ駅店」に行ってきました。

    ※店内は撮影禁止のため、外から撮影しました。

    買い物の流れ

    買い物の方法はいたって簡単です。

    1. 入口ゲートから店内に入る
    2. 購入したい商品を手に取る
    3. 出口ゲート前の端末で決済方法を選ぶ
    4. 決済する
    5. 出口ゲートから外に出る

    入口にゲートがあり、一定の人数を超えると入店が制限されます。これは、カメラによって客の動きを追うため、客が多すぎると正しく認識することが難しくなるためです。

    決済方法は、クレジットカード/交通系電子マネーから選択できます(決済方法は順次追加予定)。

    レシート

    購入時、レシートが発行されます。レジの担当は「AI」になっていました。

    決済時に商品が間違って認識されていた場合は?

    出口ゲート前の端末には、購入しようとしている商品の名前が表示されます。もし、手に取った商品ではないものが表示された場合は、端末を操作して訂正することができます。

    なお、カメラによる商品の認識成功率は90%と高いので、それほど心配する必要はなさそうです。

    情報元:https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00290/061000008/

    使ってみた感想

    実際に使ってみてよかったところと、気になったところがそれぞれ2つずつありました。

    よかったところ

    バーコードをスキャンせずとも自動で認識される

    通常、コンビニやスーパーのセルフレジではバーコードをスキャンしますが、今回はレジ前の会計ゾーンに立つだけで、購入する商品の確認画面が表示されました。このシステムの一番のウリですね。

    商品を手に取ってすぐカバンに入れてよい

    「会計前は商品をカゴに入れておき、会計後に袋詰めする」という段階を踏む必要がないので、買い物の時間が短縮できます。この方式に慣れて普通のスーパーでうっかりやってしまうと万引きになるので少し怖いですが……!

    気になったところ

    決済用端末の操作が必要

    TOUCH TO GOでは、出口の前にある端末で決済方法を選択し、支払う必要がありました。Amazon Goのように、出口ゲートから外に出たら自動で決済されるようになれば、より便利だと思います。ただ、事前にアプリのインストールが不要で利用客を選ばないため、駅構内の店舗の仕組みとして適していると感じました。

    たくさん買わないと便利さを感じづらい

    通常、セルフレジでバーコードをスキャンするのが手間だと感じるのは、一度に複数の商品を購入するときです。今回は1点しか購入しなかったため、“スキャンの手間が省ける便利さ”をあまり感じることができませんでした。ただ、自分が手に取った商品が正しく認識されているのを見たときは感動しました。

    ちなみに今はこんなバーコードも

    買い物つながりでは、こんなバーコードもあると話題になっていました。

    私はセルフレジを使うときにバーコードが読み込まれず焦ることがあるので、このアイデアはすごくよいと思いました。スーパーの店員さんも喜びそう。値引きシールを貼るのが大変そうですが(笑)

    レジなし店舗はすぐそこに

    昨年3月には、Amazonのレジなし決済技術は「Just Walk out」という名称で小売店に提供していくと発表されました。そのため、日本でもそう遠くない未来にAmazon Goのようなレジなし店舗が登場するのではないでしょうか。その日を楽しみに待ちたいと思います。