社員数がある程度多い企業では、社内に設置しているネットワークに直接つなげている場合のみ、業務で使う社内システムや社内データにアクセスできるようになっています。
つまり、社外のネットワークから、社内のネットワークにアクセスできない状態です。
社外からのアクセスを禁止している理由は、主にセキュリティ対策です。
ウイルスによる攻撃やデータ漏洩などを防ぐことを目的としています。
しかし、昨今はリモートワークのため、自宅など社外で仕事をしている方が増えています。
その際、役立つのがVPNという仕組みです。
VPNが何なのかを知らずに使っている方もいるのではないでしょうか。
今後のリモートワークのためにも、ここでVPNの正体を理解しておきましょう!
VPNはVirtual Private Networkの略で、直訳すると「仮想専用線」という意味があります。
VPNとは、端末間(パソコンとサーバー間、サーバーとサーバー間など)で、仮想の専用ネットワークを作り、通信を行う仕組みです。
仮想の専用ネットワークでは、許可された端末のみアクセスできるように認証を行い、通信内容は暗号化されます。
そのため、第三者が通信内容を傍受できない仕組みになっています。
VPNにはいくつか種類がありますが、ここではリモートワークをするときに使われることが多い、インターネットVPNに絞って具体例を説明します。
インターネットVPNは、一般的なインターネット回線上に仮想の専用線を構築します。
会社側では、VPNサーバーと呼ばれるVPNで通信を行うための窓口となるサーバーを用意します。
規模の大きい会社では、社内インフラ担当が管理を行っています。
そして、外部から社内のネットワークにアクセスしたいパソコンに、VPNクライアントソフトをインストールします。
VPNクライアントソフトを使ってVPNサーバーにアクセスすることで、社内のネットワークにアクセスできるようになります。
VPNサーバーとパソコン間では、Webページにログインするかのように認証を行い、暗号化されたデータをやり取りします。
VPNを使う際のデメリットとしては、パソコンがバックグラウンドで、通信するデータの暗号化と復号化(暗号化されたデータを元に戻す)を行っているので、パソコンに負荷がかかる点です。
業務で使うシステムは社外のネットワークからアクセスできるし、仕事で使うデータも全部Google WorkspaceやOneDriveで管理しているから、VPNとは無縁だな〜。
なんて思っているリモートワーカーの方がいるのではないでしょうか。
喫茶店や公共施設などのフリーWi-Fiを使って仕事をしている方は要注意です!
フリーWi-Fiは、通信が暗号化されていない場合があるため、通信内容がほかの人に覗かれてしまう危険性があるのです。
秘匿性の高いファイルなどが、第三者に見られてしまった場合、データが悪用されてしまう危険性もあります。
しかし、家にインターネット環境がなく、Pocket Wi-Fiも契約していないという場合は、フリーWi-Fiが頼りになると思います。
そこで役立つのがVPNです。
有料のVPNサービスを使うことで、VPNサーバーとパソコン間の通信が暗号化され、フリーWi-Fiを使っていても、データを覗かれないようにできます。
1ヶ月1000円程度の費用がかかりますが、Pocket Wi-Fiよりは安く、契約・解約もすぐにできます。
フリーWi-Fiをよく利用し、かつ秘匿性の高いデータを扱っている方は、有料VPNサービスの利用を検討してもよいと思います。
リモートワークを行うえで、いかにVPNが重要か伝わりましたでしょうか。
しかし、VPNを使っていればこれで完璧!というわけではありません。
パソコンのアップデートをサボっていると、脆弱性を悪用されて、ウイルスに侵入されてしまうかもしれません(VPNサーバーにも同じことがいえます)。
また、フリーWi-Fiを装って設置された、悪意のあるWi-Fi(なりすましWi-Fi、偽装Wi-Fi)に接続してしまった場合、通信に割り込まれIDとパスワードを盗まれる危険性などがあります。
悪意のあるWi-Fiについては、映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』を観ると怖さがよくわかるので、興味がある方はご覧になってはいかがでしょうか(千葉雄大くんよいですよ)。
データ漏洩は、会社の死活問題といっても過言ではありません。
リモートワークを行うときは、会社のデスクで作業するとき以上に、セキュリティにお気をつけください。
それでは、また次回の社員ブログでお会いしましょう!