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    今回の社員ブログのテーマは「『市ヶ谷の杜  本と活字館』に行ってきた!」です。少し前になりますが、「市ヶ谷の杜  本と活字館」に行きました。「本と活字館」は、大日本印刷が運営している、本・印刷についての博物館です。来館には予約が必要ですが、入場は無料です。

    https://ichigaya-letterpress.jp

    印刷にとても興味があるのと、編集プロダクションで働いているということもあり、行ってみることにしました。館内は撮影可能でしたので、写真も何枚か紹介します。

    「本と活字館」訪問〜建物について

    「本と活字館」は、東京メトロ南北線・有楽町線の市ヶ谷駅から徒歩10分程度のところにあります。周辺には、大日本印刷のビルが建ち並んでいます。もともと、ここには大日本印刷の市ヶ谷工場がありました。その中にあった「時計台」と呼ばれていた建物を活かして、「本と活字館」は2020年11月にオープンしました。割と最近ですね。とても素敵な建物です。

    「本と活字館」訪問〜活版印刷に関する展示

    「本と活字館」は、1階が活版印刷に関する展示で、2階が名刺やポスターなどに使われる印刷機の展示です。本記事では、主に1階を取り上げます。

    1階には、当時使われていた印刷機がドーンと置いてあり、その周辺にはパネルや、活版印刷に使う「活字」などが展示されていました。活版印刷とは、活字(文字が彫ってあるハンコのようなもの)を並べてつくった版で印刷することです。そして以下の箪笥は、活字を鋳造するための母型を保管するためのものです。

    この写真の上部にあるパネルに小さく、「当館で保存している日本語の金属活字はすべて秀英体です」とあります。秀英体とは、大日本印刷のオリジナルの書体のことです。秀英体は2005年に大改刻(活字を彫りなおすこと)がされており、その様子は、ちくま文庫の『本をつくるという仕事』に掲載されています。

    この本は読んだことがあったので、「あの本に載っていた書体!」と驚きました。ちなみに本書は、「本と活字館」の2階にも飾られていました。

    先ほどの母型を以下の機械にセットすることで、実際の活字を彫るそうです。活字を彫るための金属は、機械の上部にセットします。

    こうして作られた活字を、以下のような植字台で並べて版をつくったようです。こんな小さな活字をピンセットで1つずつ並べるなんて、途方もない作業ですね。

    活版印刷における、校正の様子も展示されていました。校正紙は、私が普段、仕事で見ているゲラとかなり似ていて、このような指示をもとに文字修正を行う点は、今と昔で変わらないんだなと思いました。

    「本と活字館」訪問〜印刷機の展示

    2階には、名刺やポスターなどに使われる印刷機である、UVインクジェットプリンターやリソグラフなどが展示されていました。これらのプリンタを使って印刷されたポストカードなども展示されています。本来はワークショップなどが開催されているようですが、昨今の情勢のため、自分が行った際は、開催されていませんでした。ただ、スタッフの方が実際にプリンタを動かしてくださり、とても丁寧に説明してくださいました。

    また、面白いものだと「活字ベンチ」というものがありました。ベンチが活字になっています。このベンチは、自由に利用できます。

    まとめ

    「本と活字館」は、建物が素敵ですし、展示も見応えがあり、とても面白い博物館でした。ここに載せた展示以外にも、魅力的な展示がいくつもありましたので、本や印刷に興味がある方は、ぜひ足を運んでみてください。昨今の情勢のため外出が難しい場合は、VRツアーも公開されています。

    https://archives.ichigaya-letterpress.jp/contents/virtualtour/index.html

    編集者として、活版印刷についての理解を深めることができてとてもよかったです。また今では、版をつくるのが活版印刷に比べてとても楽になっており、その分より多くの本を制作できたり、執筆やデザインに時間をかけたりできるんだなと感じました。