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    当社はIT系書籍の編集プロダクションなので、仕事で参考にする本や、自分の勉強用に買う本は、どうしても、IT系のものが多くなります。そのためすこし前に「IT系の本ばかり読んでいて、ビジネス書を読めていないなあ……」と危機感を覚えたので、何冊か読んでみました。とても面白い本ばかりだったのと、読んだ本はアウトプットしたほうが記憶に残りやすいので、社員ブログで感想を書いてみようと思います。

    一冊目:『学びを結果に変える アウトプット大全』

    一冊目は、サンクチュアリ出版『学びを結果に変える アウトプット大全』(著:樺沢紫苑)です。とても有名な本なので、読まれた方も多いと思います。

    本書には、「ほめる」「叱る」「プレゼンする」といったアウトプットを、効果的に行う方法について書かれています。

    驚いたのが、「ほめる」「叱る」といったあらゆるアウトプットを網羅した構成です。書名を見たときは勝手に、「執筆やデザインなど、いわゆるモノづくりやクリエイティブなことをどうやるかを解説した本」だと思っていたので、とても面白い構成だなと感じました。また、「ほめる」「叱る」がアウトプットであるという意識があまりなかったので、そのこと自体が、自分にとっては発見でした。仕事で企画書を書く際も、本の構成をどういうものにするか考えるので、つい構成に目が行ってしまうのもあるかもしれません。

    どの節も、どんな職種・立場の人でも実践しやすい内容で、とても勉強になりました。1節あたり2ページなので読みやすいですが、全部で270ページとボリュームがありますので、頭から順番に読むのではなく、自分が興味を持った節から読んでいくのもいいかもしれません。

    二冊目:『思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント』

    二冊目は、PHP研究所『思考のコンパス ノーマルなき世界を生きるヒント』(著:山口周)です。

    ビジネス書を読みたいと思って書店に行った際、平積みされている書籍が意外と、コロナ禍の前に出版されているものであることに気付きました。おそらく、ベストセラーだから平積みされているのだと思うのですが、個人的には、「コロナ禍を踏まえた内容が読みたいな」と思っていました。そんな時に見つけた一冊です。

    採用クラウドサービスの取締役や解剖学者、生命科学者といったさまざまな立場の人と、山口さんの対談集です。対談相手の立場や職種がバラバラなので、短時間で色々な価値観に触れることができます。さまざまな方向に話が行くので、正直、対談に明確な共通点はありません。ただ、どの方も自分の中にしっかりと軸や方向性を持っておられるので、なにかイレギュラーなことがあっても動じないし揺るがない、というのが、とても伝わってきました。この点は本書の「はじめに」でも触れてある点ですが、「自分の中に確固たる指針があれば、コロナ禍などの状況であっても、自分なりの決断ができる」ことに気付くことができました。

    三冊目:『なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント』

    三冊目は、中央公論新社『なぜ人に会うのはつらいのか メンタルをすり減らさない38のヒント』(著:斎藤環、佐藤優)です。

    書名にインパクトがありますね。この本も、コロナ禍を踏まえた内容だったことに惹かれて購入しました。

    人に会うことがどういうことなのかを、オンライン会議やテレワークが普及した今、改めて考えてみようという内容です。これも形式としては、対談をまとめたものです。

    この本で最も印象に残ったのが、「人に会うこと自体が暴力である」という主張です。悪口を言ったり、手を上げたりなどしなくても、人に会うこと自体が暴力である、という考えが自分の中になかったので、まずそこに驚きました。ここでいう暴力は、「他者に対する力の行使」すべてを表し、人に会えて嬉しい、人に会うのが気が重い、といった感情もすべて内包します。本書では、この暴力(人に会うこと)がないと、人は欲望を維持できないので、必要なものである、とされていました。たとえば、人に全く会わない場合、服や高級なアクセサリーを買う人は少なくなります。

    この「人に会うこと自体が暴力」という点を知っておくと、「多かれ少なかれ、誰もが人に会うことがつらいと思ったことがある」というのがわかるので、すこし気がラクになるのではないでしょうか。

    オンラインだとその暴力性は薄れるので、オンラインのほうがやりとりしやすいという人もいるでしょう。ただし、暴力性が薄れることによって、アイデアや発見が生まれにくい可能性もあります。当社でも、会議は基本的にZoomやGoogle Meetで行っているので、その点を把握できてよかったなと感じました。

    まとめ

    まだまだ社会情勢は混乱していますが、そんな中でも、ヒントをもらえるような三冊を読めてよかったなと思います。また、普段、IT書籍の編集・制作をしているので「縦書きのビジネス書だと図版がこう入るのか」といった、体裁についての発見もありました。同じ分野の本ばかり読んでいると、体裁や言葉遣いの視野が狭まるので、今後も積極的に読んでいきたいと感じました。『学びを結果に変える アウトプット大全』にも「読んだ本はアウトプットしよう」とありますので、これからも読んだ本を、ブログで紹介していきたいなと思います。