• 編集プロダクション・リブロワークスのWebサイト

    昨年、「スマホ脳」という世界的ベストセラーが日本でも大ヒットしました。この書籍では現代人のスマホとの関わり方を考察しており、「何も考えずデジタル機器を使うのは危険かもしれない」と気づかせてくれる興味深い内容でした。

    そこで今回は、あらゆるものがデジタル化する現代だからこそ、あえて残したいアナログ文化について考えてみます。

    アナログ文化

    本記事では、デジタル機器を使わない文化を「アナログ文化」として定義します。

    紙の書籍

    当社の主な業務は書籍の制作なので、紙の書籍は身近な存在で、親しみもあります。一方で、本を読みたければ電子書籍という選択肢もあります。

    電子書籍の市場は年々拡大し、紙の書籍の売り上げは減少し続けていますが、それでも紙の書籍を支持する人も多いのが現状です。理由は人それぞれですが、私が紙の書籍を選択する主な理由は「残りの分量がわかること」「本に集中できること」の2つです。

    1つ目の「残りの分量がわかること」が重要だと感じるのは、小説です。紙の書籍は読み進めていくうちにページの残量からクライマックスが近づいているとわかりますが、電子書籍の場合は「面白い! ここからどう展開するんだろう」と思ったタイミングで最終ページ……。ということがときどきあるのです。

    電子書籍でも画面をタップすれば残りの分量を確認できますが、夢中で読んでいるときは次々にページを進めてしまうので、終わりが近づいていることに気づけないんですね。そんな理由で話が突然終わってしまうのは悲しいので、小説は紙で読むほうが好きです。

    2つ目の「本に集中できること」は、紙の書籍は読み始めたら基本的にほかのことは気にならなくなりますが、電子書籍はスマホやタブレットで読むので、読んでいる際に通知が来て別のことを始めたり、気になったことをWebで検索したりと、とにかく気が散ることが多いんです。本の世界に没頭しやすいのが、紙の書籍を選ぶ理由になっています。

    そんな私ですが、紙の書籍が好きとはいえ、電子書籍も500冊くらいは持っています。本棚を圧迫する漫画や、料理中にスマホで見られる料理本は、電子書籍のほうが使い勝手がいいのが理由です。何より価格が安いので、特別欲しかったわけではなくても思わず買ってしまうこともしばしば……。今使っている電子書籍のサービスが終了したらすべて読めなくなってしまうので、終了しないよう気になる本をときどき購入しています。

    ちなみに、丸善・ジュンク堂書・文教堂で紙の書籍を購入すると、紙の書籍の購入から5年以内なら同じ本の電子書籍版が半額で購入できる「読割50」というサービスがあります。処分してしまった本がまた読みたくなったときに利用しています。

    読割50
    https://honto.jp/service/yomiwari50.html

    皆さんは、どんな理由で紙の書籍を選択されますか?

    手紙

    手紙も、残したいアナログ文化の1つです。私が考える手紙のよいところは、手紙を書いて、ポストに投函して、郵便局の人が回収して、仕分けされて輸送されて配達されるという、物理的な移動があるところです。数日前には差出人の手元にあったモノが自分のところに届くという体験は、メールやSNSには代えられない「重み」があると思います。

    そんな私も以前は手紙を書く習慣がありませんでしたが、郵便配達員が主人公の小説を読んで以来郵便のファンになり、以降は家族やお世話になった人などに手紙を書いています。

    ライブ・コンサート

    ライブやコンサートの生音は、その場で聴いてこその感動があります。

    昨今の社会情勢で以前より気軽に行くことが難しくなってしまいましたが、なくすことなく続いてほしい文化です。

    ライブのチケット代は高いと感じることもありますが、行ったあとは「また行きたい」と思えるんですよね。家でライブDVDを見るのと何が違うのかと考えてみたところ、一番は周りに同じステージを楽しみたいお客さんがいることではないかと思いました。同じタイミングで声を出したり、歌ったり、踊ったり。あとは音で空気が揺れる感じも、DVDを見ているだけでは味わえない体験です。

    私は体力がないのでライブは長時間立っていられず途中で必ず座るのですが(笑)、いつかまた思いっきり楽しみたいです。

    食事をしたときの「ごちそうさま」の声かけ

    スーパーやコンビニではお馴染みのセルフレジ。最近は飲食店でも導入するお店が増えています。レジだけでなく注文もタッチパネル式の飲食店だと、入店から退店まで店員さんと一度も話さずに食事を終えられることもあります。

    昨今の社会情勢的には、そのほうが望ましいのかもしれません。

    ですが、それだと寂しいなと感じます。最近は外食する機会がめっきり減ってしまい、自分では作れない本格的なご飯が食べたくなる瞬間があるので、すいているお店を狙って外食することもあります。作る苦労がわかるからこそ、作ってくれた人に直接ごちそうさまを言いたいんですよね。できればセルフレジで会計だったとしても、店員さんがいれば一声かけたいなと思います。

    (おまけ)図書室の貸出記録カード

    小学生の頃、学校の図書室の貸出記録カードを見るのが好きでした。本の最終ページにポケットが貼ってあり、そこに貸出期間と名前が書かれたカードが入っていて、借りるときに自分の名前を書くというものです。

    同じクラスの子と同じ本を借りていて話すきっかけになったり、シリーズで借りている本はいつも自分の少し前に同じ人が借りていたりといった記録が見られるので、楽しかったのを覚えています。

    個人情報の観点から今はあまり使われていないようですが、残ってほしかったなと思います。

    最近では貸出カードを模した「ワタシ文庫ノート」というしおりが売られているようです。この見た目、懐かしいですね。ちなみにこの商品は貸出記録用ではなく、自分の読書記録を書き留めておくためのものです。

    アナログ文化をあらためて考える

    若い人の間では、あえてレコードを聴いたり、スマホを絶って生活したり、時間をかけてコーヒーを淹れたり、手の込んだものを時間をかけて作ることも流行っているそうです。

    書籍関連だと大人向けの塗り絵本やスクラッチアート本などは以前から人気がありますね。ステッカーを貼って絵を完成させる「ステッカーアート本」は、日本だけでなく海外でも人気のようです。

    https://www.amazon.co.jp/dp/4057507914

    現代でデジタルなものに触れずに生きていくことはほぼ不可能ですが、意識的にアナログ文化に触れてみると、今までと違った発見があるかもしれません。

    私は細かい作業がとても苦手なため、工作や手芸などは継続できたためしがありませんが、この機会にアナログの趣味を探してみようと思います。

    皆さんが残したいアナログ文化は何ですか?