先日、初めて角川武蔵野ミュージアムにいってきました。とても楽しめたので、この記事では、まだ行ったことのない方に向けて施設の概要や感想などを紹介したいと思います。
角川武蔵野ミュージアムとは、埼玉県所沢市東所沢のところざわサクラタウン(※)内にある、図書館・美術館・博物館が融合した文化複合施設です。2020年11月にオープンしました。
※KADOKAWAによる日本のポップカルチャー発信拠点。角川武蔵野ミュージアムのほか、レストラン、ショップ、ホテル、神社などがある。
チケットは当日でも買えますが状況によっては完売の可能性もあるため、公式Webサイトからの事前購入がおすすめです。
また、ひとくちにチケットといっても、入場可能エリアによって複数種類あるので注意してください。期間や平日/休日によって購入できるチケットや料金も変わりますので、詳細は公式サイトをご覧いただければと思います。
私が今回購入したのはスタンダードチケットです(本当は1DAYパスポートを買いたかったのですが売り切れていました…)。このチケットでは①1階にあるマンガ・ラノベ図書館と②4階にあるエディットタウン、本棚劇場などに入ることができます。
スタンダードチケットと1DAYパスポートの違いは下表のとおりです。「とにかく本が読めればよい」という人はスタンダードチケット、「展示なども見たい」という人は1DAYパスポートがおすすめです。
スタンダードチケット (一般 1,200円) | 1DAYパスポート (平日/一般 2,700円) | |
1階:マンガ・ラノベ図書館 | ◯ | ◯ |
1階:グランドギャラリー | ◯ | |
4階:エディットタウン、本棚劇場他 | ◯ | ◯ |
それでは、実際に角川武蔵野ミュージアムへ足を運んだときの様子をご紹介します。
最寄りの東所沢駅からミュージアムまでは、徒歩10分ほど。駅を出たら道路沿いを真っ直ぐ歩き、途中で一回だけ左折したら、最後に東所沢公園を抜ける、というわかりやすいルートです。ちなみにアニメ・漫画キャラでデコレーションされているマンホールが多々あり、道中も楽しめます(夜になると光るものもあります)。
自然豊かな東所沢公園を抜けると、ようやく目的地に到着です。
独特な形状の建物であることは事前に把握していましたが、生で見るとあらためて、その大きさと、岩のようにゴツゴツとしたデザインに圧倒されます。
これをデザインしたのは、新国立競技場などを手がけたことで有名な隈研吾さんです。「マグマが大地に噴出する様子」をイメージしているそうで、それを表現するために壁面にはなんと2万枚の花崗岩を使っているとのこと。
建物の写真を存分に撮ったところで、いよいよ入場します! まずは4階にあるエディットタウンに向かいます。
4階の展示で目玉といっていいのは、エディットタウンと本棚劇場です。
エディットタウンでは、50メートルの通りに、25,000冊もの本が9つの分類に従って配架されています。たとえば、「日本の正体」「むつかしい本たち」「イメージがいっぱい」などです。
本の貸し出しは行っていませんが、その場で読むことはできます。上記の写真は閉館間際に撮ったため空いていますが、混んでいる時間帯だとほとんどの椅子が埋まっており、皆さん熱心に読書していました。
上記の写真は9つの分類の1つ、「日本の正体」のコーナーです。書架自体にデザイン的な工夫があったり、本があえて平積みされていたりして、図書館で本を探すのよりも楽しく「気になる一冊」を見つけることができます。
9つの分類の中では、さらに細かいジャンルごとに分類されています。私は日本の戦国時代や城郭が好きなので、こちらの「城と天下と武士道」というスペースにあった本を色々と読みました。
また、写真を撮るのを忘れてしまったのですが、別のコーナーでは懐かしい本との再会がありました。高校時代に課題図書として読んだ、川上稔『砂糖の世界史』という本です。
「懐かしいな〜」と思いながら手にとって、数ページだけ流し読みしようとしたのですが……気がついたら最後まで読んでいました。
というのも、当時は先生から指示されたので仕方なく読んでいたのですが、改めて読んでみると想像以上におもしろさを感じたためです。ページ数も208ページしかないため、1時間もかからず読破してしまいました。
同じ本でも、読まされるのと自分から進んで読むのとでは、または数年経ってから読むのでは感想は変わるのだな、としみじみと感じました。
ちなみにこちらの本は、「砂糖」に焦点を当て、大航海時代、植民地、プランテーション、奴隷制度、三角貿易などをわかりやすく説明した一冊です。もしよかったらチェックしてみてください。
www.amazon.co.jp/dp/4005002765
このように色々な本を読んでいたところ、気がついたら3時間くらいこの場に滞在していました。入館した当初(午後でした)はお客さんで溢れかえっていたのに、3時間も経って閉館が近づくと人もまばらです。これ幸いと写真を撮ったり、人が多くて近寄れなかったコーナーの本を読んだりして最後まで楽しむことができました。
エディットタウンを抜けた先にあるのが本棚劇場です。ここは2020年の紅白歌合戦でYOASOBIが歌唱した場所としても有名です。
4階と5階部分が吹き抜けになっており、360度約8メートルの書架で埋められています。エディットタウンを抜けた先に、突然広々とした空間が現れるので、多くのお客さんが「おー」とか「すごーい」とかといった歓声をあげていました。
本棚劇場ではプロジェクションマッピングも行っています。私が行ったときは「文豪ストレイドックス」というアニメとコラボしたプロジェクションマッピングを見ることができました。
1階にあるマンガ・ラノベ図書館では、約2万9000冊の日本のライトノベルに加え、KADOKAWAから出版されている約6000冊のマンガや児童書を所蔵しており、マンガやラノベが好きな人にとってはたまらない場所となっています。
こちらも本の貸し出しは行っていませんが、その場で読むことは可能です。
ただ、残念ながら私はほとんど4階のエディットタウンで過ごしてしまったため、マンガ・ラノベ図書館ではじっくり本を読むことができませんでした。次回行った際は絶対にリベンジしようと思います。
写真を撮るのも忘れてしまったため、詳細は公式サイトをご覧いただければと思います。
https://kadcul.com/manga_light_novel_library
ここで紹介したのは角川武蔵野ミュージアムのほんの一部です。他の階にもおもしろそうな企画や展示がまだまだあります。今回自分はチケットと時間の関係で隅々まで見尽くすことができなかったため、次回はゆっくりと館内を歩き回ってみたいと思います。
皆さんも、もしよかったら角川武蔵野ミュージアムに行って、 普通の図書館では味わえない体験を味わってみるのはいかがでしょうか。