昨今、ITパスポート試験の人気が急上昇しています。その応募者はここ10年で約4倍増加し、令和4年度には170万人を超えました。大変注目をあびている国家資格の1つといえます。
ITパスポートの試験範囲としては、PCやネットワークなどITの基礎的知識から、ITを活用した経営・技術戦略やセキュリティ対策など、ITに関わる幅広い分野を対象としており、情報社会で働くすべての社会人・これから働く学生の方が身につけておきたい内容とされています。
そしてその試験内容は、多くの企業から「リスキリング・DXの推進」としても関心を集め、社内研修として採用したり、社員に受験を推奨したりするケースも増えてきています。ITパスポートの受験者は10〜20代がボリュームゾーンではありますが、ここ5年で平均応募者年齢が約6歳引きあがったのは、そのような影響も大きいと考えられます。(平均応募者年齢 平成30年度:26.7歳 令和4年度:32.5歳)
さて、当社にもITパスポート試験対策コンテンツの制作依頼をいただくことが増えてきました。そのため今回は、今年4月に公開された令和5年度の公開問題を参考にして、ITパスポートの受験直前に見直しておきたい用語をご紹介しますので、よろしければ参考にしてください。
それでは、出題可能性が高い用語について考えてみましょう。
試験運営元のIPAのWebサイトには、「令和3年以降の公開問題はCBTの試験問題のうち、実際に出題した試験問題100問を公開している」と明記されています。したがって、今年受験予定の場合は、令和5年度の公開問題の内容(最低限、用語の意味)については、確実に押さえておきたいところです。
下記の表に令和5年度公開試験に記載された用語を分野ごとにまとめましたので、目を通してみてください。表中に「あれ、なんだっけこれ?」という用語があった場合は、ぜひお手持ちの参考書で、その意味や事例を確認しておくことをおすすめします。
★2回以上記載された用語は、ピンクのハイライトを引いています。
■ストラテジ系
ABC分析 | M&A | インサイダー取引規制 | 商標法 | バブルチャート |
AI | M2M | インバウンド需要 | 情報リテラシー | フィッシュング |
AML(Ant-Money Laudering) | MOT | 売上高営業利益率 | スキミング | フォーラム標準 |
APIエコノミー | MPR | カニバリゼーション | 相関分析 | 不正アクセス禁止法 |
ASP | O2O | ガントチャート | 総資本回転率 | 不正競争防止法 |
BABOK | OMG | かんばん方式 | ソーシャルメディアポリシー | フリーミアム |
BPMN | RFID | 業務モデリング | 損益分岐点比率 | プロセスイノベーション |
BPO | RFP | クラスター分析 | 第4次産業革命 | 変動費 |
BPR | RPA | コアコンピタンス | 著作権法 | マインドマップ |
CIO | TOB | 固定費 | 定量発注方式 | 前払式支払手段 |
FAQ | VC | コンプライアンス | デジタルサイネージ | リーンスタートアップ |
IoT | アウトソーシング | シェアリングエコノミー | デジタルディバイド | ロードマップ |
IPO | アウトバウンド需要 | 資金決済法 | デジタルトランスフォーメーション | |
KGI | アクセシビリティ | 自己資本比率 | デジタルネイティブ | |
KPI | 一般データ保護規則(GDPR) | 自然言語処理 | 特定商取引 | |
LBO | インキュベーター | 主成分分析 | 人間中心のAI社会原則 |
★ストラテジ系一言アドバイス:「不正アクセス禁止法」は令和3年度から毎年出題されている用語です。3年連続で不正アクセス禁止法で規制される行為を選択させる問題が出題されています。
■マネジメント系
BCP | NDA | 管理図 | 職務分掌 | パレート図 |
DevOps | SLA(サービスレベルマネジメント) | 結合テスト | ソースコード | ファシリティマネジメント |
FAQ | SLM | コードレビュー | ソフトウェア導入 | プロジェクトマネジメント |
IPS | UPS | サービスデスク | 単体テスト | ヘルプデスク |
ITガバナンス | アローダイアグラム | 散布図 | デザインレビュー | リバースエンジニアリング |
ITサービスマネジメント | インシデント | システムテスト | 特性要因図 | リファクタリング |
MTBSI | 会計監査 | システム監査 | 内部統制 |
★マネジメント系一言アドバイス:マネジメント系では「プロジェクトマネジメントとサービスマネジメント」の分野の問題が毎年多く出題される傾向にあります。また、令和5年度公開問題においては、「SLA(サービスレベルマネジメント)」が関係する問題が4問も出題されています。
■テクノロジ系
2分探索法 | OSS(Open Source Software) | オートコンプリート | セキュリティバイデザイン | バッファリング |
AI | PaaS | オートフィルター | ゼロデイ攻撃 | 引数 |
CPU | PDCAモデル | オートラン | 線形探索法 | 秘密鍵 |
DDoS攻撃 | PLC | 活性化関数 | ソーシャルエンジニアリング | 表計算ソフト |
DVD-R | PoE | 可用性 | ソーシャルメディア | ファームウェア |
DVD-RAM | POP | 関係データベース | ソースコード | フィッシュング |
DVD-ROM | POP3 | 関数 | 耐タンパ性 | フールプルーフ |
DVD-RW | PSK | 完全性 | 著作権 | プライベートIPアドレス |
FTP | RAID | 機械学習 | 通信プロトコル | プロトコル |
GPU | RAID0 | 機密性 | ディープラーニング | ポートスキャン |
HDD | RAID1 | 共通鍵 | テザリング | マルウェア |
IaaS | SaaS | クラスタリング | デジタル署名 | ミラーリング |
IDS | SMTP | クリアデスク | 手続 | メッセージダイジェスト |
IoT | SQLインジェクション | クロック周波数 | 盗聴 | ユニバーサルデザイン |
IPアドレス | TCP/IP | 結合 | ドメイン名 | 要素 |
ISMS | VoIP | コミット | ドライブバイダウンロード | リスク回避 |
ISMSクラウドセキュリティ認証 | Wi-Fi | サブネットマスク | トランザクション | リスク共有 |
LAN | WPA2 | 主キー | トロイの木馬 | リスク低減 |
MACアドレス | アクセスポイント | 情報セキュリティポリシー | ニューラルネットワーク | リスク保有 |
MVNO | アルゴリズム | スプーリング | バイオメトリクス認証 | リブート |
NFC | エッジコンピューティング | スマートメーター | ハイブリッド暗号方式 | |
NTP | エネルギーハ―べスティング | 正規化 | 配列 | |
OS | オートコレクト | セキュアブート | バックドア |
★テクノロジ系一言アドバイス:テクノロジ系は「セキュリティ」が圧倒的に出題数が多いので、関連用語を復習しておきましょう。ここ数年で出題傾向が高いのは、「ISMS」「バイオメトリクス認証」「デジタル署名」などが挙げられます。
※問題文に記載された用語のみを記載しています。そのため、用語の意味を記載している箇所については集計していません。
※全く知らない用語が出てきた場合は、シラバス外の用語の可能性があります。ITパスポートでは、8/100問採点されない問題が出題されます(これは今後出題する問題を検討する目的とされています)。
ITパスポートの合格率は例年50%前後とされており、IT関連の資格の中では取得しやすい資格といえます。とはいえ、非IT系の職業の方や、PCにあまり触れたことのない学生の方には聞き馴染みのない言葉も多く、勉強を始めた際には苦労することも多いかと思います。
ただ、インターネットやAI、IoTが急速に普及している現在の社会において、ITの知見をしっかりと持っていることは、どのような立場の方にも必ず役に立つはずです。ぜひ最後まで試験勉強を頑張って合格を手に入れてください!
参考:【ITパスポート試験】統計情報 (ipa.go.jp)
★弊社が制作しております下記の書籍も、ぜひ参考にしてください。
「TAC出版_みんなが欲しかった!ITパスポートの教科書&問題集」