企画編集部の藤井です。少し前に、Amazon Web Services(AWS)というクラウドサービスの資格である「AWS Certified Cloud Practitioner」を受験し、無事合格することができました。今回の社員ブログでは、 AWS Certified Cloud Practitionerがどういった資格で、どのように勉強したかについてまとめてみたいと思います。
AWS公式の資格はAWS認定と呼ばれ、全部で12個あります。12個の資格はただ1列で12段階のレベル分けがされているようなものではなく、設計やデータベース、セキュリティなど、内容によって分かれています。その中でも、AWS Certified Cloud Practitioner(以降、Cloud Practitioner)は最も基礎的な資格です(以下の図の左上参照)。
こうたくさんあるとどれを受験すればいいのか迷ってしまいそうですが、まずCloud Practitionerを取得し、その後は目的や職業にあわせて、必要な認定を取得していく道筋が、公式でアナウンスされています。
Cloud Practitionerの試験概要は以下の通りです。なお、以下に記述する内容は、私が受験したバージョン(CLF-C01)のものです。
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 90分 |
試験形態 | 65 個の問題 (複数選択または複数応答のいずれか) |
料金 | 100USD |
受験方法 | Pearson VUE テストセンターまたはオンライン監督付き試験 |
90分間で65問なので、一度解いた後に見直す時間は充分あります。私は3周くらい見直しました。また試験では、後で見直したい問題には「後で見直す」というフラグを設定できたので、それも活用しました。
ちなみに、この65問中には、採点対象外の設問が15 問含まれることが公式でアナウンスされています。この問題は今後の作問に利用されるものとのことですが、受験者にはそれがどの問題なのかはわかりません。そのため気にせずに、どの問題もしっかり回答する必要があります。
また、受験方法は2つありますが、受験された方のブログなどを拝読するかぎり、オンライン監督付き試験だとネットワークが遅く、画面遷移に時間がかかった方もいるようです。心配な方はテストセンターでの受験がいいかもしれません。私はテストセンターで受験したので、とてもスムーズに臨めました。
Cloud Practitionerで出題される分野は以下の4つで、配点は以下の通りです。
分野 | 概要 | 配点 |
---|---|---|
第1分野: クラウドのコンセプト | クラウドの利点(信頼性、高可用性、規模の経済性など)やクラウドの設計原則など | 26% |
第2分野: セキュリティとコンプライアンス | 責任共有モデルやセキュリティ(最小権限の原則など)、コンプライアンス(監査レポートなど) | 25% |
第3分野: テクノロジー | グローバルインフラ(リージョンやアベイラビリティゾーン)や、AWSの主要サービスの概要や使い方など | 33% |
第4分野: 請求と料金設定 | AWSの料金モデルや料金確認に使うツール(Cost Explorer)など | 16% |
各分野の内容はあくまで概要なので、詳細は公式サイトを参照してください。
第3分野に「AWSの主要サービス」、とあるように、試験ではAWSのさまざまなサービスの概要や特徴が問われます。私が受験した試験バージョン(CLF-C01) では、64個のAWSサービスが試験範囲になっています。基礎的な資格とはいえ、なかなかのボリュームです。
Cloud Practitionerの勉強方法ですが、私の場合、AWSの本を何冊か編集したことがあったので、Amazon EC2やAmazon S3、Route 53といった有名なサービスの概要は把握していました。そのためサービス概要を学ぶところは割愛し、過去問をたくさん解き、間違えたところは公式サイトや書籍で知識の穴埋めをする、という流れで進めました。
とにかく、過去問をたくさん解きました。過去問は、以下のサイトにお世話になりました。
また私の場合は、スキマ時間に勉強したかったので、以下のスマホアプリを使うほうが多かったです。
https://play.google.com/store/apps/details?id=aws.cloud_practitioner.exam&hl=ja-JP
1で間違えた場合の知識の穴埋めには、以下の書籍を使いました。
なお、上記の書籍は弊社で編集したものになります!
また、以下の書籍も活用しました。
書籍を使う場合は、上記のような、1つのサービスにページが多く割かれている書籍(①)を主要サービス(EC2やS3など)のおさらいに使い、サービス数がとにかく多く載っている書籍(②)は辞書的に使う、という方法が、個人的にはおすすめです。
この後は、1の「過去問をたくさん解く」と2の「間違えたところは知識の穴埋めをする」をとにかく繰り返すことで学習を進めていきました。
この「間違えたところは公式サイトや書籍で知識の穴埋めをする」という流れが、とても効率的だったように感じています。時間に余裕がある場合は、書籍を読んでから過去問を解くでいいと思うのですが、主要サービスの概要は知っていたこともあり、間違えたところを書籍で勉強して知識を広げていくほうが、記憶に残りやすく効率的だったなと感じます。
また、1と2を繰り返すうちに、よく間違えてしまうサービスが何かがわかってきます。私の場合、Amazon CognitoやAWS Configを忘れがちなことがわかったので、試験直前にそこだけ見直しを行いました。
AWS認定を受験したことで、AWS認定がどのようなものなのかが把握でき、知らなかったAWSのサービスについても知識を身に付けることができました。資格取得がすぐに業務に役立つというわけでもないと思いますが、資格でよく取り上げられる内容だから盛り込もう、という観点を編集業務で活かせたらいいなと思います。AWSのほかの資格や、マイクロソフトのクラウドである「Azure」の資格にも興味があるので、今後はそちらの受験も考えていこうと思いました。
なお、他にも弊社では、次のクラウド関連書籍を制作しています。用途にあわせて、ぜひ活用してください。