リブロワークスで企画・執筆・制作を行った『ふりがなプログラミング』シリーズ(インプレス刊)をご紹介します。「ふりがなプログラミングってどういうこと?」と疑問を持たれる方が多いと思いますが、名前のとおり紙面のプログラム(ソースコード)に、日本語でふりがなを振った書籍です。
スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング(Amzaon) |
スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング(Amzaon) |
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スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング
https://book.impress.co.jp/books/1117101140
スラスラ読める JavaScriptふりがなプログラミング
https://book.impress.co.jp/books/1117101139
プログラムにふりがなを振ったのは、最初から最後まで同じように説明するためです。例えばプログラミングにおける「=(イコール)」という記号は、「等しい」ではなく「変数にデータを入れる」ことを意味します。そのことを説明していない入門書はまずありませんが、あまりにも基礎的なので、書籍の先頭で一回説明したらそれ以降繰り返し説明することは(おそらく)ありません。そのため、万が一読んでいる途中で「=」の意味を忘れてしまったら、それ以降の説明が理解できなくなってしまいます。
そこで、違和感のない形で同じことを繰り返し説明するために採用したのが「ふりがな」という表現手法です。全体を通して「=」の上には「入れろ」というふりがなを振っているので、「=って何だっけ?」と思ったらすぐ上を見れば簡単な意味が書いてあります。ふりがなを振っただけだと個々の単語や記号の意味しかわからないので、単語間を補って日本語で意味が通じる文に直した読み下し文も掲載しています。
英語や中国語のような自然言語の場合、言葉は違っても人間のやることを表していますから、日本語に翻訳すればだいたいの意味は通じます。しかし、プログラミング言語はコンピューターへの指示書なので、日本語に翻訳しただけでは理解しがたい部分が少なからずあります。本書ではふりがなに加えて、「穴埋め図」をはじめとした豊富な図版で、プログラムがどう動くのかを解説します。
プログラミング学習では入力ミスによって起こるエラーメッセージが付き物です。実は書籍サポートに寄せられる質問でも、エラーメッセージを読み解けばわかるものが大半を締めます。本書では、学習中に遭遇することが多いエラーメッセージにもふりがなを振り、その意味を説明しました。
今回はPython編とJavaScript編の2冊を同時刊行します(2018年6月22日刊行)。この2つのプログラミング言語の文法には共通部分が多く、途中までは同じように学ぶことができます。
ただし、用途は大きく異なります。Pythonは機械学習やデータ分析で有名ですが、本来は日常的なルーチンワークの自動化に適した言語です。日々の仕事を少しでも便利にしたいという方におすすめです。一方JavaScriptは、Webアプリやスマホアプリといった「アプリ開発」に使われます。マウスやタッチパネルで操作するアプリを手軽に作りたいという方におすすめです。それにあわせて本書の構成も、文法を説明する4章までは大まかな流れは共通で、第5章から各言語の用途に合わせて分岐していきます。
英語学習でも言葉を知るだけでは自由に文章を書けるようにはならないのと同じく、プログラミング学習も単語や記号の意味を知っただけで終わりではありません。本書は入門書の入門書を目指しているので「その上」には触れていませんが、いろいろな書籍が刊行されていますので、ぜひ次のステップとして挑戦してみてください。本書が皆さまのプログラミング学習のよい入り口となれば幸いです。