長いことNECのLavie Hyblid ZEROというノートPCを使っていたのですが、4年ほど経ってバッテリーなどいろいろへたってきたので新調することにしました。前のLavieが気に入っていたので、重さは1Kg未満(860gぐらい)、13インチ以上、2in1という同じ仕様で探した結果、FMV LIFEBOOK WU3/G2を選択。そこそこ長くWindows PCを(途中に数年Macも挟みつつ)使ってきましたが、FMVユーザーになったのははじめてです。
プロッセッサCore i 7の7世代→12世代、メモリ8GB→16GB、OSはWin10→11と全体的にグレードアップし、まずまず快適で大きな不満もないのですが、PCの本格的な引っ越しは久々だったので、簡単に記事にまとめてみようかと思います。
旧PCからの移行はこんな流れになりました。
iPhoneだと30分ほど近くに置いておくだけで移行できますが、さすがにパソコンは面倒。OSが管轄していない部分が多いということなんでしょう。それでも、Webアプリをメインで使うようになったせいか、主要部分はChromeのインストールで解決する部分が増え、昔よりだいぶ楽になった気はします。
最初は指紋認証のほうが便利なんじゃないかなぁ……と思っていましたが、ノートのフタを空けてちょっと見つめるだけでロック解除されるのはナカナカ便利です。Windows Hello対応カメラの隣で2つの赤ランプが点滅し、認証されるとアイコンが笑顔に変わって自動的にロックが解除されます(状況によっては、画面のスワイプが必要なことも)。補足すると、マスクを付けたままでは登録できず、眼鏡を外した顔は別に登録が必要です。
他の何よりもまっさきにやっておきたいのが、OneDriveへのバックアップを切る設定。というのはバックアップが有効だと、ドキュメントやピクチャなどの特殊フォルダーが、OneDriveフォルダーの下に入ってしまうからです。ファイルパスが関係するのであとからの変更は面倒です。バックアップを切る理由には、「同期のせいでファイル保存時の動作が遅くなる」「標準だとOneDriveの容量が5GBしかないので、バックアップしきれない」などがありますね。
タスクバー右のあたりにあるクラウドアイコンでOneDriveの設定画面を表示し、下記の画面を表示してバックアップのチェックを外します。
Chromeに紐付いているサービスが多いので、さっそくインストール。噂の「Edgeにしましょうよ」メッセージが出ますね。そうはいわれてもiPhoneやChrome Bookとの連携を考えるとEdgeにするのも面倒なので、設定画面をいじって既定にします。
しばらくMacbookを使っていた時期もあったのですが、そこからWindowsに切り替えたときにどうしても耐えられなかったのが、Explorerにタブがないことでした。そこで、タブ付きファイラーをいくつか乗り換えつつ使っていて、最後はTablacus Explorerにしていました。Windows 11の次の大規模アップデートでタブが導入されるらしいのですが、間に合わないので新PCでもTablacusです。画面設定をやりなおすのが面倒なので、[ツール]メニューから[レイアウトを保存][レイアウトの読み込み]を使って移行します。
ファイル関連でもう1つ入れておきたいのがQuickLook。macOSのQuickLookと同じ機能をWindowsで再現するもので、スペースキーを押すだけでプレビューを表示できます。ちなみにTablacusでQuickLookを利用するには、アドオンの設定が必要です。
Windows 11ではタスクバーのボタンが中央ぞろえが既定で、「これは普通、左ぞろえにするでしょう」と思ったのですが、実際に設定してみると何か使いにくい。というのは、Win10にあった検索ボックスがなくなったので、ボタンが左寄りになりすぎるのですね。中央ぞろえでちょうどいいぐらいでした。
ついでに、ウィジェットとチャットのボタンは消しておきましょう。
これでWindowsの設定はだいたいOKかなと思ったら、どうもしっくりこない。タスクバーが白に近いグレーになったのが、自分でも意外なくらい気に入りませんでした。タスクバーだけを暗くするには、既定のWindowsモードをダーク、既定のアプリモードをライトにします。
前々からCapsLockキーはCtrlキーに置き換えていたので今回も同様に。この設定のためのツールは大昔から変わっていなくて、定番のChangeKeyは拡張子がLZHだったりします。LZHを展開(最近は「解凍」とはいわないそうです)するために、前から使っていたCubeIceという展開ソフトをインストール。この展開ソフト、macOSで圧縮したファイルでも文字化け起こさずに展開できて便利です。
Windows 11はタスクバーにファイルをD&Dできず、地味に不便です。ただ、この問題はもうすぐ解決するそうです。
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/win11must/1390424.html
Office 365なので旧PCからのインストールは簡単だろうと思ったら、「使用台数を超えているなんたら」というメッセージが出て、ネットでの移行はできませんでした。しかたないので電話を掛けて、自動音声に沿って非常に長い数値を入力したら、あっさり移行できました。
Slackのアカウントってワークスペースごとに独立していて前々から管理方法がよくわからないと思っていましたが、あっさり一括で移行できました。Slackアプリをインストールしてちょっといじっていたら、ログイン可能なワークスペースの一覧(どこが情報を持っているのかわからない)が表示され、チェックするだけで済みます。
ちょっと手こずりました。2段階認証でログインしようとしたら、「一致しない」といわれ、調べてみたところ「元のPCで2段階認証を一回外せ」とのこと。それでいいのかと思いつつ移行。
1日ほどMS IMEで使っていて、無変換/変換キーでのIME切り替えもできるし、意外とMS IMEでもいけるなぁと思いつつ、やっぱり変換候補がいつもと違うのが気になるので、ATOK Passportもインストール。手順は普通にサイトからインストールして、起動時にログインして同期。
ちなみに最近、スペースキーの左右の無変換/変換キーでIMEをオンオフすることを、「Mac風の切り替え」と呼ぶケースをちょくちょく見かけるのですが、個人的にはPC98シリーズのXFER/NFERキーのほうが先だったような気がします。
ここまで会社で片手間で設定して、軽いので家でも使ってみようと持って帰ったところで、最大のワナに遭遇しました。実は2021年にInnoViewというメーカーのモバイルモニターを私物で購入していて、2、3万円という低価格ながら、4K+タッチ+Type-Cのみで接続可能という優れものだったのですが、旧PCにはType-Cが付いてなかったので、宝の持ち腐れだったのです。
さっそく自宅でType-C接続してみると、ドライバー不要、ケーブル一本で映像出力、電源供給、タッチパネルの認識が済み、ようやく真価を発揮できるようになりました。
これで満足しておけばよかったのですが、ディスプレイの設定画面に表示されているHDRというボタンを押した途端、モバイルモニターが映らなくなりました……。どうやっても直らず、いろいろ検索したところ同じ現象の記事を見つけたのですが、「初期化したら直りました」って設定したばっかりでそれはできない……。
まったく知らなかったのですが、「自動HDR」というのはWindows 10からある機能で、HDR対応モニターを接続してHDR対応のゲームなどを実行すると、自動的に色相や輝度を調整して通常よりキレイに表示してくれる機能なのだそうです。モニターがHDR非対応であれば特に問題ないのですが、このInnoViewはHDR対応しているにも関わらず、何か仕様が合わないらしく、WindowsがHDRオン状態だと表示されなくなるみたいなのです。
さらに、HDRがオンだと画面表示が何か重くなります。おニューのPCが台無しです。
Type-Cの映像出力はいろいろ複雑らしく、空いている信号線にHDMIやDisplayPortなど他のプロトコルの信号を流すそうです。こういう複雑な仕様だと、安いモニターでは不具合が出てもしかたないのかもしれません。
Alt Modeとは?—USB-Cが映像出力やThunderbolt 3になる仕組みのお勉強
ノートPCの電源を抜いてバッテリー駆動にすると、バッテリー使用時はHDRが無効になるため、モバイルモニターが使えるようになるのですが不便……。かといってHDMI接続に戻すと、電源が別に必要になる上に、タッチ操作ができなくなります。
まぁ、このモバイルモニターは職場では使っていないので、実際はさほど困らないのですが、デュアルタッチモニターで仕事してみたかった……。
1つ書き忘れていた話題です。仕事用のPCでタッチを使う必然性は残念ながらほぼないです。かなり使いやすくはなっているのですが、問題はキーボードからの距離が遠くなることで、一般的なディスプレイを立てて使う形式だと、手をディスプレイのところまで動かすために重力とも戦わないといけないので、腕がかなり疲れます。
180度開いてディスプレイを寝かせた状態だと、腕の疲れの問題は解決します。マウスより使いやすいとまではいえませんが、まずまずの実用性があります。
メリットは、ちょっと新鮮で楽しいのと、スクロール操作が全般的に楽になり、マウスポインタを見失う問題が解決できるあたりでしょうか。あと、この状態では自然と前傾姿勢になるので、腰にはやさしいかもしれないですね。
タッチの恩恵が最大になるのは、270~360度開いた、いわゆるテントモードとかタブレットモードという状態です。キーボードは一切使えないので、電子書籍とかWeb、動画などの閲覧に用途が限定されますが、タブレットやスマホ感覚で使えるのでなかなか快適です。Windows 8の頃を思い出すと、Windowsのタッチ操作もようやくここまで来たかと感動もひとしお?
結論はメーカーの広告通りなのですが、仕事モードではマウス、プライベートではテントモードでタッチというのがベストな使い方という感じでしょうか。あとは180度モードに新たな可能性を見いだせるかどうか……。
ちなみに、この機種に付属しているアクティブペンはイイ感じなので、イラスト指示のラフ書きは今後はこれでやろうかなと思います。
打ち合わせの大半がビデオになり、外でノートを使うことも減ったので、バッテリーはケチって標準の25Whにしたのですが、稼働時間が予想よりも短いです。節電モードを有効にしても3時間ぐらいしか持たない印象。
公称10時間との差がずいぶんあるなと思って、消費量を見るとChromeが70%食ってますね。常時20タブぐらい開いているせいかな。バッテリー使用が多い人はオプションの64Whバッテリーにしたほうがいいでしょうね。